こ う ち 流 パ テ の 作 り 方




 私はヤヨイ「ワイドパテ」を使用。上塗り下塗り兼用のパテである。

 「上」と「下」を分けて使用している職人さんもいるが、私はこれで、ボードのV 目地も2回でとめることができる。

 そして下の写真。「そこまでやるの…?」と思うかもしれないが、私は、パテと水 の量の比率を決めてパテを練る。もちろん、「パテローター」や「パテブレス」など の自動かくはん機を使用してのことだ。

 問題の分量だが、パテの重さに「0.6」をかけた数字が水の量である。上 塗りの場合は、「0.65」である。これだけの差でも、パテの硬さは全然ちがっ てくるのだ。

 ちなみに、この数値は、ヤヨイが指定する水の量に匹敵する。パテのふくろの 裏面に、「3.5kにたいして水は2.0〜2.3リットル」と、ちゃんとていねいに説 明されている。私はこれをもとに試算したのだ。

 これで、いちいち水を足したりパテを増やしたりして、硬さを確認しなくてもよい。決められた水を入れさえ すれば、安心して別の仕事にとりかかることができる。

 そして、もっとレベルの高いパテの作り方をご説明しよう。

  まず、パテブレスを使用すれば、きめ細かいパテが作れて、“とまり”もいい…。そう思っている職人さんも ほとんどだし、実際そのとおりである。

 ついつい作り過ぎたりして、パテが硬くなり、手首が痛い…。そんな理由で、「パテきらい」という職人さんを よくみる。それでも、「パテは好き」という方もいる。ちなみに、そんな方は、「いい物をつくる職人さん」タイプ である。

 パテは下地処理。いわば、“見えない仕上げ”である。そんな、クロスを貼ってしまえば見えなくなるようなも のに、ある程度の下地調整は必要だが、わざわざ時間をかけたり技巧を凝らしたりするのは、自己納得の 境地である。自己納得の傾向が強い方は、いい意味での仕事に対するプライドが高く、芸術志向でもある。

 職人は、ある種の芸術家でないといけないと思っている。そんな方はだいたい巧いし、そうでない方は、パ テへの愛着もなく、ただ雑に仕上げる凡職人である。

 パテというのは、時間が経てば次第に硬化がはじまる。この硬さが、作業する手首にこたえるわけだ。長 時間はしんどい。しかし、そんな硬くなってしまったパテでも、サクッと“キレ”がよく打てる方法がある。技法 ではない。パテそのものの改善の仕方である。

 ワイドパテではあるが、やり方はこうである。

 1. まず、まんべんなくブツがなくなるまで硬めに練る(パテブレスなら数分)。重力でパテがトロッと しないほど、微動だにしないぐらいの硬さである。一時停止した波飛沫(なみしぶき)みたいに。

「はかり」を使用する場合、水の量は重さの半分の数字。その場合、ポンポンバケツを固定する ベルトをはずしておくこと。パテが硬くてアームがまわらないことがある。

 2. 30秒から1分間ぐらい放置する(随意)。それ以上でもよい。

 3. 残りの水と混ぜ合わせてやる。これでできあがり。

 

 パテが硬くなり、「水で薄めちゃれ!」と、水を薄めて練りなおした職人さんもいると思う。そのとき、妙にパ テの色が明るく、キレのよいバテが打てた経験をお持ちのはず。そのパテを意図的に作ってやろうというこ とだけの話である。

 このパテなら、時間が経ち硬くなったとしても、サクッとしたパテが打てる。これで、手首の負担も軽減され る。もちろんとまりもいい。

 回数をわけて水を混ぜるというやり方は、糊を溶く段階方法である(攪拌機の場合)。いっぺんに水を混ぜ ると、固形が溶ききれず、ブツが残る原理と同じである。パテも同様。きめ細かいパテはそのようにして完成 するのである。

 ちなみに、ワイドパテには、「キューブ」というパテ添加液が付属している。量が限られているため、私は使 用していないが、これを混入してやると、接着機能が増し、パテの伸びもよく手首が疲れない。

 パテを練るとき、初めに水と一緒に混入している職人さんをよくみかけるが、じつはそれはまちがいであ る。最初、パテを硬めに練り、それからキューブと混ぜ合わせてやるのが本当である。使用方法の欄に書 かれている。先ほどご説明した方法と似たようなものである。

 やはり、それが正しい見解ではないかと思っている。







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